社員インタビュー

目に見えない部分こそ建物の生命


塩田信夫
  1999年入社/住宅事業部 CS推進部 品質管理グループ マネジャー

 

郷里の青森から上京しゼネコンに入社、以来29年間、現場一筋でやってきました。8年前に転職し、新日鉄を経て現在当社の品質管理を担当していますが、やはり根っから物づくりと現場が好きなんですね。つい工事の最前線に行ってしまうので、「危ない」としょっちゅう注意されています(笑)。

物をつくる立場からつくらせる立場になって分かったのは、現場の責任者にしても人によって技術レベルや理解の仕方が大きく違うということ。だから品質向上のためには仕様書や設計図を出来るだけ細かく書き込み、充実させることが必要なのです。長年ゼネコンの現場にいたので、彼らの痛いところ、かゆいところも手に取るように分かる。そこでなるべく現場に直接足を運び、ざっくばらんに話し合うようにしています。現場の最前線には、化粧されていない“生”の状況があり、そこでは彼らと対等以上になれます。

 私の信念は、建物の足元や基礎など、目に見えない躯体を大切にすること。また、内装の骨組みや壁の裏、下地、天井の配線・配管…そうした見えない部分こそ建物の生命だと考えます。そういうところからゼネコン時代は「いい物をつくるが、金もうけは下手」と言われてきました。でも内装はリフォームすることもできますが、建物本体の“骨”はそうはいきません。だから一生懸命つくるべきなのです。部屋や内装などの色合いや出来栄えは開発担当者に任せて、私は裏方でいい。一番大切な部分を、きちんとゼネコンの担当者に伝え、つくりたいのです。

ですから実際に足を運んだとき一番注意するのも、決められた数の鉄筋がただ入っているのではなく、きちんとそこに納まっているかなど、目に見えない部分です。「専門知識に関しては管理者やゼネコンに負けない」という自負があるので、現場の担当者に細かい指示もできます。さらに品質をより良くするには、ハードルの高いことを望むことも大事。すると相手も「ただのオッサンと違うな」と思ってくれるようで、こちらを信頼してくれるんです。時には、にわか勉強の知識もあるんですけどね(笑)。

現場の担当者は私の子供くらいの年齢の人も多いですが、逆に私も分からないことはどんどん相手に聞きますよ。検査したり、叱ったりするだけでなく、謙虚に質問し合える関係になると信頼も生まれるんです。そんな中で私の経験や知識を若い人に伝えていきたいと思っています。だから自分の部署の若い人たちもなるべく現場へ連れて行き、自分の目で見て理解させ、さらに本当に分かったのかを重ねて確認するようにしています。

プロジェクトが動いている間は現場で衝突もありますが、最後に笑顔で終われると本当にうれしい。最近、印象に残っているのは『リビオ橋本タワー ブロードビーンズ』。構造設計の担当者は経験の少ない女性でした。私も相手が女性だとつい優しくなってしまうし(笑)、素直で、緻密に仕事をしてくれる方だったのでとてもうまくいきました。そんなふうに一緒に頑張り、信頼関係を築いた人とまた現場で再会することも。そういう人とはすぐ本音で話し合え、2度目の仕事ではよりいい物が出来上がります。

私が今一番うれしいのは、同じ土地に建物がいくつか並んで建っているのを見て、われわれのつくった物が最も強く丈夫に、しっかりと出来ていると感じること。自負とうぬぼれいっぱいで腕組みをして「うん、一番だ」とうなずくとき、この誇りと喜びを出来るだけ多くの若い人に伝えていきたいと、あらためて思うのです。

 

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