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Vol.4 時代は変わる! (2006.04)
今年の仕事始め、本社フロアでの皆さんへのご挨拶で、私は次のようなことを話したと記憶している。 「終戦から60年の節目だった昨年は、年末に私たちを巻き込んだ姉歯問題は論外としても、1年を通して殺伐とした悲惨な事件が多発し、会社経営に起因する不祥事・事故も跡を絶たなかった。また国内外各地で大きな自然災害も立て続けに起こった。戦後の科学・IT技術などの飛躍的進歩はあるものの、教育のあり方とか、人類の英知の向かう先が本当に正しいのか? など、私たちに問いかける人災・天災が目立った年だった。また日本では、明治時代に統計を取り始めてから人口が初めて自然減に転じたのが昨年だった。こうして迎えた2006年、私たち一人ひとりが、企業人であるとともに、自立した一人の社会人として“本当の幸せ、豊かさ”について今一度考え、行動することが大切になってきている時代、そんな時代を迎えている日本という国に生きていることを忘れないで、この1年を過ごしていきたい」と…。 ところが実際には今年に入りたった2カ月の経過でしかないにもかかわらず、昨年以上にさまざまな事件が発生しており、そして何よりあの絶好調だった小泉平成改革の破綻を感じさせる出来事が相次いでいる。ライブドアの絶頂と現状は、市場原理と経済効率を至上価値とする政治や経営にある種の警鐘を鳴らす象徴的な事象と言えよう。ふだんならあまり振り向かれない『国家の品格』、『下流社会』という新書本がベストセラーとなり、国柄論とか貧困・格差といった問題に多くの人々の関心が向き出しているのも、こうした時代的雰囲気の証左と思われる。
1つ興味深いデータがある。“望ましい国の姿”として『効率的な都市集中の国』と『地方にも人が住める効率にとらわれない国』のどちらを支持するかと尋ねたところ、東京でさえ(否東京だから)85%もの人が後者を選んだということだ。戦後の高度成長路線とその延長線上で物質的豊かさを追い続けてきた人々が、新たな豊かさを模索し始めている。 世界の総人口がこの2月末に65億人を突破し20年後には80億人近くに達するという見通しの中で、逆に日本の人口は現在の1億2800万人から2050年には1億人を切ろうかという現実に直面して、なお従来型のメンタリティを引きずって国の姿なりヴィジョンを描こうとするのではなく、「時代は変わる!」という覚悟のもとで、人材と文化・伝統に立脚して日本の将来像を展望していくことが、国を挙げての重要なテーマになってきている。 例えば、過度な市場原理主義で人間の価値や行動を計り『勝ち組』『負け組』と人々を二極に分裂させるのではなく、市場原理がいう競争と効率の視点を上手く活用しながら、ほどよい均衡概念に沿って共生と協働の社会を再構築していくことが、人口が減りややもすれば暗いイメージの日本の将来にとって大切な取り組みなのではないかと、浅学ながら思えてならない。 そんな時代の日本において、私たちは『エリア価値創造』への挑戦を始めようとしている。多くの製鉄所建設から培われた街づくりのノウハウ、タウンマネジメントの実践、そういった新日鉄グループのDNAを当社のブランド価値として訴求していく活動をどのように展開していくのか。これまでの都市再開発の有り様に対し、何を提案していけるのか。 東京一極集中の都市再生の歪み、安定した街空間を喪失した地方都市の荒廃、旧態依然な地権者におもねる開発アプローチ方法など、考えさせられる問題は多い。人口減少下の新たな国づくりに参加し得るチャンスに遭遇し、安直な“勝ちエリアづくり”に与するのでなく、それぞれの都市・地域特性に真に相応しい街づくりに貢献したい。小さな会社ではあっても、皆さん一人ひとりが自らのミッションに対する高い志と熱い使命感を持って、そうした意義深いチャレンジに果敢に取り組んでいって欲しいと願っている。
1つ興味深いデータがある。“望ましい国の姿”として『効率的な都市集中の国』と『地方にも人が住める効率にとらわれない国』のどちらを支持するかと尋ねたところ、東京でさえ(否東京だから)85%もの人が後者を選んだということだ。戦後の高度成長路線とその延長線上で物質的豊かさを追い続けてきた人々が、新たな豊かさを模索し始めている。 世界の総人口がこの2月末に65億人を突破し20年後には80億人近くに達するという見通しの中で、逆に日本の人口は現在の1億2800万人から2050年には1億人を切ろうかという現実に直面して、なお従来型のメンタリティを引きずって国の姿なりヴィジョンを描こうとするのではなく、「時代は変わる!」という覚悟のもとで、人材と文化・伝統に立脚して日本の将来像を展望していくことが、国を挙げての重要なテーマになってきている。 例えば、過度な市場原理主義で人間の価値や行動を計り『勝ち組』『負け組』と人々を二極に分裂させるのではなく、市場原理がいう競争と効率の視点を上手く活用しながら、ほどよい均衡概念に沿って共生と協働の社会を再構築していくことが、人口が減りややもすれば暗いイメージの日本の将来にとって大切な取り組みなのではないかと、浅学ながら思えてならない。 そんな時代の日本において、私たちは『エリア価値創造』への挑戦を始めようとしている。多くの製鉄所建設から培われた街づくりのノウハウ、タウンマネジメントの実践、そういった新日鉄グループのDNAを当社のブランド価値として訴求していく活動をどのように展開していくのか。これまでの都市再開発の有り様に対し、何を提案していけるのか。 東京一極集中の都市再生の歪み、安定した街空間を喪失した地方都市の荒廃、旧態依然な地権者におもねる開発アプローチ方法など、考えさせられる問題は多い。人口減少下の新たな国づくりに参加し得るチャンスに遭遇し、安直な“勝ちエリアづくり”に与するのでなく、それぞれの都市・地域特性に真に相応しい街づくりに貢献したい。小さな会社ではあっても、皆さん一人ひとりが自らのミッションに対する高い志と熱い使命感を持って、そうした意義深いチャレンジに果敢に取り組んでいって欲しいと願っている。
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