社長コラム

Vol.3 “不意”への備え (2005.11)  

今年の夏休み、8月16日のお昼前、長野県の某ゴルフ場18番ホールのグリーン上でのこと。私がまさに最後のパットを打とうとしたそのとき、ボールが変に揺れて見え私の身体も大きく揺らいだ。一瞬“びっくり!”、目まいか立ちくらみかと思い、私もヤキがまわったなと…。一緒にいた妻と長男が叫んでいる、「地震!地震!」。見るとクラブハウス内の人たちも皆立ち上がり、カーテンも大きく揺れていた。あの宮城県沖地震発生の瞬間のことである。 今回改めて『びっくり』という語意を広辞苑で確かめてみた。“不意の出来事に驚くさま”とある。ついでに『不意』も調べてみると“思いもよらないこと、思いがけないこと、意外。転じて、突然、だしぬけ”となっている。この“不意の出来事”に出くわすことは日々の生活でも多々あり、結果として私たちはいろいろと学ぶ。この夏起こった“不意の出来事”について、愚考……。 8月8日、あの日郵政民営化法案は参議院で否決され、そして衆議院は即日解散された。同法案に衆議院で反対票を投じた某政党代議士の皆さんには、この解散はまさに“不意の出来事”であったであろう。その直前まで「200%法案は廃案にしてみせる。500%解散はさせない」と息巻いていた先生方は、「オレは命を賭けている。殺されてもいい覚悟でやっている」と決意を披歴し、自らが用意した周到なシナリオに沿って強引とも映る行動で国民にアピールしたK首相の仕掛けに、ほぼ完膚なきまでに打ちのめされる羽目になった。自分たちの周りで起こっているさまざまな動きを読み誤り分析と対応が不十分であったことが、彼らを“不意”ということの持つ怖さがすべて当てはまる事態に直面させ、最悪の結末に導いた。彼らが今、何をしようとしているのか、私には皆目見えてこない。

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次はもっと深刻な問題。あの超大型ハリケーン「カトリーナ」は8月29日にメキシコ湾岸を直撃し、ジャズ発祥の地ニューオーリンズを中心に米国史上最大級の自然災害をもたらした。それは決して“突然、だしぬけ”に被災住民・地域を襲ったわけではないが、行政当局が見通しを誤ったこと、当地の住民事情への配慮を欠いていたことなどから、“思いもよらない、思いがけない、意外”な大被害となってしまった。事後の救援活動の立ち遅れ、それに伴い派生した治安の悪化もあって、米国社会・経済に深刻な打撃を与えている。実は1900年にも今回以上のハリケーン災害を経験していた世界一の先進国である(はずの)アメリカが、“不意”の混乱に巻き込まれ混迷を極める現実を目の当たりにして、大地震のリスクや度重なる台風への対処を迫られている日本という先進国(のはず)の備えの甘さに、危惧の念を抱かざるを得ない。 翻って当社の“不意”への備えはどうだろう。私たちは、最近の業界動向の下で用地取得の難しさとか社有遊休地の先細り現象に直面している。この状況を“不意の出来事”として慌てたり泣き言を言ったりせず、皆が知恵を絞り意見を出し合って、着実に足元対策を打つとともに将来に備えて計画作りに取り組んできていると自負している。ただ、こうした努力によって“突然、だしぬけ”という現象は回避できるとしても、“思いもよらない、思いがけない、意外”という局面に遭遇する可能性までをゼロとすることは、残念ながらかなわない。今一度“不意”への備えの重要さを再認識し、世の中の動向へのアンテナをより高く鋭敏にして情報の収集に努め、そして得た情報の共有化を心掛けて、組織または個人としてのリスク対応力を強化していきたい。 10月からの新しいオフィスで気分一新! 皆さんがそれぞれの持ち場・立場で自立的・主体的にそうした活動に一層拍車をかけてくれることを期待している。 蛇足になるが、あるアンケートの結果を紹介する。(問)55歳以上の夫婦においてこれから大事にしたい人間関係は?(答)夫=1位・子供 2位・妻…。妻=1位・子供 2位・知人友人 3位・夫…。夫の妻志向は従来より上昇傾向、逆に妻の夫志向は下降傾向にあるらしい。少子高齢化時代に備えて地域・社会の中でうまく加齢していく妻に対し、仕事一筋、脇目もふらず会社人間で生きてきた夫。これから2人でというときになって奥さまに“不意打ち”を食らうケースも多い世情にあって、ショボくれず魅力的な男でいられるよう精進することの大切さを、自戒も込めて愛する男性社員諸君へのアドバイスとして贈ります。お互い“イイ男!”になりましょう!!

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